EDとは?原因・症状・治療法を医師が解説|MEN’S KIA CLINIC

EDとは?原因・症状・治療法を医師が解説

「以前より勃起しにくくなった」

「勃起はするものの、性交の途中で萎えてしまう」

「硬さが足りず、満足な性交ができない」

このような状態が続く場合、ED(Erectile Dysfunction:勃起不全)の可能性があります。

EDは、完全に勃起しない状態だけを指すものではありません。勃起までに時間がかかる、十分な硬さが得られない、途中で維持できなくなるといった状態もEDに含まれます。

日本のED診療ガイドラインでは、EDは「満足な性行為を行うのに十分な勃起を得られない、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。EDは器質性、心因性、両方が関与する混合性に分類されます。

EDは単なる加齢現象とは限りません。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や、ストレス、男性ホルモンの低下、服用薬、手術後の神経障害など、さまざまな要因が関係します。

この記事では、EDの症状、主な原因、検査、治療法、受診の目安について医師が解説します。

この記事の要点

  • EDは「まったく勃起しない状態」だけではない
  • 中折れ、硬さ不足、勃起に時間がかかる状態もEDに含まれる
  • 原因は血管、神経、ホルモン、心理、薬剤など多岐にわたる
  • EDが生活習慣病や心血管疾患のサインとなる場合がある
  • 治療は生活改善、ED治療薬、心理的支援などから原因に応じて選ぶ
  • ED治療薬は硝酸薬などと併用できないため、医師の診察が必要
  • 市販サプリメントや個人輸入薬には注意が必要

ED(勃起不全)とは

EDとは、性交を行うために十分な勃起が得られない、または得られた勃起を十分に維持できない状態です。

次のような症状もEDに含まれます。

  • 性的刺激があっても勃起しにくい
  • 勃起するまでに時間がかかる
  • 十分な硬さにならない
  • 挿入前または挿入後に萎える
  • 性交の途中で硬さを維持できない
  • 日によって勃起状態が大きく変わる
  • 性交に対する不安が強くなる

一度だけうまくいかなかったからといって、直ちにEDと判断するわけではありません。

疲労、睡眠不足、飲酒、緊張などによって一時的に勃起しにくくなることはあります。しかし、同じ状態が繰り返される場合や、本人またはパートナーが困っている場合は、医療機関への相談を検討してください。

図解1:正常な勃起が起こる仕組み

勃起が起こる仕組みを示した図

EDでみられる主な症状

勃起するまでに時間がかかる

性的刺激を受けても、以前より反応が遅くなったと感じる状態です。

疲労やストレスによる一時的なこともありますが、血流低下、神経機能の低下、ホルモン変化などが関係する場合もあります。

勃起の硬さが足りない

勃起はするものの、性交に十分な硬さが得られない状態です。

勃起の有無だけでなく、性交に必要な硬さが得られるかどうかも重要な評価項目です。

性交の途中で萎える

一般に「中折れ」と呼ばれる状態です。

血流、緊張、集中力、飲酒、コンドーム装着時の刺激変化、過去の失敗経験など、複数の要因が関係することがあります。

朝立ちが減る

朝立ちは、睡眠中に自然に起こる勃起の一部です。

朝立ちの減少だけでEDを診断することはできませんが、以前と比較して明らかに減った場合は、血管、神経、ホルモン、睡眠状態などの変化を確認する材料になります。

性交への不安が強くなる

一度の失敗をきっかけに、「また失敗するのではないか」と不安が強くなることがあります。

この不安が交感神経を緊張させ、さらに勃起しにくくなる悪循環を生む場合があります。

EDの主な原因

EDは、大きく次の4種類に分けて考えます。

  1. 器質性ED
  2. 心因性ED
  3. 混合性ED
  4. 薬剤性ED

実際には一つの原因だけではなく、複数の要因が重なっていることも少なくありません。

図解2:EDの原因分類

EDの原因を器質性・心因性・混合性・薬剤性に分類した図

1.血管や生活習慣病が関係するED

勃起には、陰茎へ十分な血液が流れ込むことが必要です。

そのため、動脈硬化や血管内皮機能の低下があると、陰茎への血流が不足し、勃起しにくくなる可能性があります。

特に、次の疾患はEDと関連します。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 肥満
  • メタボリックシンドローム
  • 心血管疾患

厚生労働省の資料でも、EDと糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームは、動脈硬化や血管内皮障害という共通の危険因子を持つと説明されています。また、EDが虚血性心疾患に先行する症状となる可能性も指摘されています。

EDがあるから必ず心臓病があるという意味ではありません。

ただし、急に勃起機能が低下した場合や、健診を長期間受けていない場合は、血圧、血糖、脂質などを確認することが重要です。


2.神経が関係するED

性的刺激は脳で認識され、脊髄や末梢神経を通じて陰茎へ伝わります。

そのため、脳、脊髄、骨盤内の神経に障害があると、勃起に必要な信号が十分に伝わらないことがあります。

神経性EDの原因には、次のようなものがあります。

  • 糖尿病性神経障害
  • 脳血管障害
  • 脊髄疾患・脊髄損傷
  • 多発性硬化症
  • パーキンソン病
  • 前立腺や骨盤内の手術
  • 骨盤外傷

手術後のEDでは、神経だけでなく、血流、組織変化、心理的負担も関係する場合があります。


3.男性ホルモンが関係するED

男性ホルモンであるテストステロンは、性欲、活力、筋肉量、気分、性機能などに関係します。

テストステロンが低下している場合、次のような症状が同時にみられることがあります。

  • 性欲が低下した
  • 朝立ちが減った
  • 疲れやすい
  • 集中力が落ちた
  • 気分が沈む
  • 筋力が低下した
  • 睡眠の質が低下した

ただし、EDがあるからといって必ずテストステロンが低いわけではありません。

症状や年齢、既往歴などを踏まえ、必要に応じて早朝の血液検査を検討します。EAUガイドラインでは、男性性腺機能低下症の評価において、早朝かつ空腹時の総テストステロン測定が推奨されています。


4.心理的要因が関係するED

若い男性だけでなく、どの年代でも心理的要因はEDに関係します。

主な要因には次のようなものがあります。

  • 仕事や家庭のストレス
  • 性交への緊張
  • 一度の失敗経験
  • パートナーとの関係
  • 妊活のプレッシャー
  • 抑うつ状態
  • 不安症状
  • 自信の低下

自慰では勃起するものの性交時だけうまくいかない場合や、朝立ちはあるものの特定の状況で勃起できない場合は、心理的要因が強く関与している可能性があります。

ただし、これだけで心因性EDと断定はできません。器質性要因と心因性要因が重なっている混合性EDも多いため、問診を含む総合的な評価が必要です。


5.薬剤が関係するED

服用中の薬が勃起機能に影響することがあります。

関連する可能性がある薬剤には、次のようなものがあります。

  • 一部の降圧薬
  • 一部の抗うつ薬
  • 一部の抗精神病薬
  • 一部の抗不安薬
  • 抗アンドロゲン薬
  • 一部の前立腺治療薬
  • 一部の鎮静薬

ただし、自己判断で薬を中止してはいけません。

服用薬がEDに関係している可能性がある場合は、処方した医師またはEDを診療する医師へ相談してください。


EDの危険因子

以下に該当する項目が多いほど、EDのリスクが高くなる可能性があります。

  • 40歳以上
  • 喫煙している
  • 運動習慣が少ない
  • 肥満がある
  • 糖尿病がある
  • 高血圧がある
  • 脂質異常症がある
  • 睡眠不足が続いている
  • 飲酒量が多い
  • 強いストレスがある
  • 性欲低下がある
  • 骨盤内手術を受けた
  • EDに関係し得る薬を服用している

EDのセルフチェック

EDの評価には、IIEF-5という質問票が広く用いられています。

IIEF-5は、国際勃起機能スコアを5項目に短縮した評価尺度で、EDの有無や重症度を確認するために開発されました。

当院でも、診療上必要な場合にIIEF-5を用いて勃起機能を評価します。

ただし、質問票だけでEDの原因までは診断できません。

点数が低い場合は、生活習慣、持病、服用薬、性欲、朝立ち、性交時の状況などを医師へ伝えることが大切です。


簡易チェック項目

次の項目に複数当てはまる場合は、医療機関への相談を検討してください。

  • 勃起の回数が減った
  • 勃起の硬さが低下した
  • 挿入できないことがある
  • 性交途中で萎える
  • 朝立ちが明らかに減った
  • 性交への不安が強い
  • ED治療薬を使用しても十分な効果がない
  • 性欲低下や強い疲労感がある
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症がある

EDの治療法

ED治療は、原因、重症度、年齢、持病、希望する性生活、パートナーとの関係などを考慮して選択します。

治療法を一つに限定するのではなく、生活改善と薬物療法などを組み合わせることもあります。

個人輸入薬やEDサプリメントに注意

インターネットでは、ED改善をうたうサプリメントや個人輸入薬が販売されています。

しかし、成分が表示と異なる製品、医薬品成分が混入した製品、過量の成分を含む製品があるため注意が必要です。

厚生労働省eJIMでは、EDや性機能改善に有効かつ安全であることが明確に示された補完療法はなく、性機能改善をうたうサプリメントには未表示の医薬品成分が含まれる可能性があると注意喚起しています。

ED治療薬は医療機関で診察を受け、正規の流通経路から入手してください。


EDで受診を検討すべきタイミング

次のような場合は、医療機関への相談をおすすめします。

  • ED症状が数週間から数か月続いている
  • 性交のたびに不安を感じる
  • 中折れを繰り返す
  • 硬さ不足で挿入できない
  • ED治療薬が効かない
  • 急に勃起機能が低下した
  • 性欲低下や強い疲労がある
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症がある
  • 胸痛、息切れ、運動時の症状がある
  • 骨盤内手術後にEDが生じた

特に、胸痛や息苦しさを伴う場合は、性行為やED治療薬の使用前に循環器系の評価が必要となることがあります。

MEN’S KIA CLINICのED診療

MEN’S KIA CLINICでは、EDを単に「薬を処方するだけの問題」として扱うのではなく、症状、生活習慣、持病、服用薬、心理的背景、本人の希望を確認したうえで治療方針を検討します。

診察では、必要に応じてIIEF-5を用いて勃起機能を評価します。

「ED治療薬を使用したが満足できなかった」

「中折れの原因を知りたい」

「薬以外の選択肢も含めて相談したい」

「性欲低下や疲労感も気になる」

このような悩みもご相談ください。

治療には効果の個人差があり、すべての方に同じ治療を行うわけではありません。診察のうえ、適応がある治療をご提案します。


よくある質問

Q1.一度勃起できなかっただけでもEDですか?

一度だけ勃起できなかった場合は、必ずしもEDとは限りません。

疲労、飲酒、睡眠不足、緊張、体調不良などによって、一時的に勃起しにくくなることがあります。症状が繰り返す場合や、性交への不安が続く場合は相談を検討してください。

Q2.若くてもEDになりますか?

はい。20代や30代でもEDになることがあります。

若い年代では、ストレス、性交への緊張、睡眠不足、生活習慣、抑うつ、不安などが関係する場合があります。一方で、糖尿病などの身体的要因が隠れていることもあるため、年齢だけで心因性と決めつけないことが重要です。

Q3.朝立ちがあればEDではありませんか?

朝立ちがあっても、性交時に十分な勃起が得られない場合はEDに該当する可能性があります。

朝立ちの有無は原因を考える一つの材料ですが、それだけでEDの有無や原因を判断することはできません。

Q4.中折れもEDですか?

性交途中で勃起を維持できない状態もEDに含まれます。

ストレス、緊張、血流低下、飲酒、刺激の変化など、さまざまな原因が考えられます。

Q5.EDは自然に治りますか?

原因によって異なります。

一時的な疲労やストレスが原因であれば改善することもありますが、糖尿病、動脈硬化、神経障害、ホルモン低下などが関係している場合は、原因に応じた治療が必要です。

Q6.ED治療薬は毎日飲む必要がありますか?

薬剤と処方方法によって異なります。

性交前に服用する方法のほか、医師の判断によっては低用量の薬剤を継続的に使用する方法が検討される場合もあります。

Q7.ED治療薬を飲むと常に勃起した状態になりますか?

通常は、薬を服用しただけで常に勃起するわけではありません。

ED治療薬は、性的刺激がある際の勃起反応を補助する薬です。性欲を高める薬ではありません。

Q8.ED治療薬とお酒を一緒に飲んでもよいですか?

少量の飲酒で大きな問題が起こらないこともありますが、過度の飲酒は勃起を妨げ、血圧低下やふらつきを強める可能性があります。

薬剤ごとの注意点について、処方時に医師へ確認してください。

Q9.ED治療薬が効かない場合はどうすればよいですか?

服用方法、タイミング、食事、用量、薬剤選択、基礎疾患などを見直します。

自己判断で増量せず、医師へ相談してください。

Q10.EDは生活習慣病のサインですか?

EDがある方すべてに生活習慣病があるわけではありませんが、EDと糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化には関連があります。

健診を受けていない方や、急に症状が悪化した方は、全身状態の確認も重要です。


まとめ

EDは、満足な性交に必要な勃起を得られない、または維持できない状態です。

まったく勃起しない状態だけでなく、硬さ不足、中折れ、勃起までに時間がかかる状態も含まれます。

EDの原因には、次のようなものがあります。

  • 血流低下や動脈硬化
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症
  • 神経障害
  • 男性ホルモン低下
  • ストレスや性交への不安
  • 服用薬
  • 手術や外傷

治療は、生活習慣の改善、ED治療薬、心理的支援、ホルモン評価、その他の治療から、原因や症状に応じて選びます。

EDが続く場合は、年齢のせいと決めつけず、早めに医師へ相談してください。


監修医プロフィール

雲山 盛秀 医師

MEN’S KIA CLINIC

診療領域

  • 男性治療
  • 美容外科
  • 美容皮膚科

保有資格・経歴

  • 医師
  • 脳神経外科領域での診療経験
  • 男性治療経験20年以上
  • 施術経験2万件以上

脳神経外科領域で培った解剖学・神経学的知識と、20年以上にわたる男性治療経験をもとに診療を行っています。

ED、早漏、感度の悩みなど、男性特有の相談に対して、症状や背景を確認し、一人ひとりに合わせた治療方針を提案しています。

引用・参考文献

  1. 日本性機能学会・日本泌尿器科学会.ED診療ガイドライン第3版.
  2. European Association of Urology. EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health, 2026.
  3. Rosen RC, Cappelleri JC, Smith MD, et al. Development and evaluation of an abridged, 5-item version of the International Index of Erectile Function as a diagnostic tool for erectile dysfunction. Int J Impot Res. 1999;11:319-326.
  4. 厚生労働省.スイッチOTC医薬品候補成分に関する資料・タダラフィルに関する見解.
  5. 厚生労働省eJIM.勃起不全(ED)・性機能改善.

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